music

Akihiko Matsumoto『Metamemory』―アルゴリズムに《人格》は宿るか?―

http://plumus.tokyomax.jp/release/mus-012 quelltll名義での前作『Mosaic Gold』では、中世から近現代に至る各時代の西洋音楽をダンスミュージックにリメイクしてみるというプロセスの中で、たとえば、初期YMOを駆動させていた楽曲生成のアルゴリズムの一…

山下智久×渋谷慶一郎「Moon Disco」から考える新世紀のJ-POP

遊アーティスト: 山下智久出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン発売日: 2014/08/20メディア: CDこの商品を含むブログ (8件) を見る 先日リリースされた山下智久さん(以下、“山P”と呼びます)のアルバム『遊−ASOBI−』。この先端的なダンスミュー…

2013年ベストディスク10/音圧と音色のオーバードーズを越えて

些か荒唐無稽ではあるが、21世紀初頭における音楽史的な達成の一つは「フレンチエレクトロ」にあった、という仮説は成り立つだろうか。それはつまり、音圧と音色によるアディクト、という音楽における新たな快楽性を切り拓く端緒となった、という意味におい…

shotahirama『NICE DOLL TO TALK』─セカイの音に耳を開く─

NICE DOLL TO TALKアーティスト: shotahirama出版社/メーカー: SIGNALDADA発売日: 2012/10/07メディア: CD購入: 1人 クリック: 29回この商品を含むブログを見るshotahiramaさんの『NICE DOLL TO TALK』に寄せて2000字程のテクストを書き下ろしました!http:/…

2012年ベストディスク10+/おわりの音楽のはじまり

2012年も数多くの素晴らしい音楽との出会いがありましたが、それでもつい繰り返し聴いてしまう作品というのは自然と絞り込まれてくるもので、やはりそれは個々人の音楽履歴が織り成す私的な音楽地図が、べき乗分布的に色濃く反映されてしまうからなのかもし…

Mark Fell『Sentielle Objectif Actualite』―記憶可能な音と記憶不可能な音の〈中間層〉―

Sentielle Objectif Actualiteアーティスト: Mark Fell出版社/メーカー: Editions Mego発売日: 2012/09/11メディア: CD購入: 6人 クリック: 64回この商品を含むブログ (2件) を見るひとたび本盤を耳にすれば、その音色の密度と律動の精度に誰もが光速で打ち…

高橋征司『N41°』―手術台の上のミシンと雨傘のような音楽―

N41°アーティスト: 高橋征司,Seiji Takahashi出版社/メーカー: Te Pito Records発売日: 2012/05/23メディア: CD購入: 7人 クリック: 97回この商品を含むブログを見る高橋征司のデビューアルバムとなるこの『N41°』を聴き終えた瞬間に想起されたのは、19世紀…

2011年ベストディスク10+

2011年に聴いた新譜の中から10枚のアルバムをセレクトしてみました。その基準は「聴くたびにどれだけ心が動いたか」という点にあります。したがってその内容は私的で一貫性のない雑多なものとなっていますが、もし今年聴き逃してしまっていた“moving”な一枚…

Get Wild - TKATAK mix

先日の渋谷慶一郎さんによるツイート「今度はTMネットワークのDVDがかかってます」「ビデオアートぽいな」「次はGET WILDきた」「うた抜くとADHぽいなw」を受け、実際にTMネットワークの「Get Wild」とADHの実質的なテーマ曲となっている「4'33+」(『ATAK00…

Thurston Moore『demolished thoughts』

Demolished Thoughts [輸入盤CD] (OLE9532)アーティスト: Thurston Moore,サーストン・ムーア出版社/メーカー: MATADOR発売日: 2011/05/24メディア: CD購入: 6人 クリック: 27回この商品を含むブログ (18件) を見る実のところ私はソニック・ユースのアルバム…

ラヴェル/冨田勲/テクノポップ

学生時代、坂本龍一が言及している作曲家、編曲家、演奏家の作品を聴き、その中に坂本龍一的な響きを見つけては一人喜ぶといったようなことばかりしながら過ごしていた時期があった。その探求の初期段階で、一聴した瞬間に虜になってしまったのは、フランス…