予言の書/Digitalian
ブログタイトルをガタリ的なものにしたこともあり、新年早々、『分裂分析的地図作成法』をぱらぱらと読み返してみた。
- 作者: フェリックスガタリ,F´elix Guattari,宇波彰,吉沢順
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 1998/02
- メディア: 単行本
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やはりその思想の核心的な部分については、依然として深い謎につつまれたままであるが、ところどころ「ツイッター」や「iPhone」などの出現を示唆しているかのような文章も散見され興味深く感じられた。たとえば、第一章の「ポストモダニズムからポストマスメディアの時代へ」という一節の中には、次のような記述が見られる。
ポストマスメディア時代におけるこの主体化の新しい実践の出現は、コミュニケーションと情報処理のテクノロジーを慎重にふたたび調和させることによって非常に容易になるのだが、それは、次第に以下のことが可能になる場合である。
1 協議体制と集団的相互作用との革新的な形態を生み出し、最終的には民主主義に新たな価値を見いだすこと。
2 もろもろの装置を小型化し個人使用すること、マスメディア化された表現手段を再特異化すること。この点に関して、われわれに最も明るい見通しを与えてくれるのは、データバンクのネットワークの拡大であると思われる。
3 激動する創造的世界に近づくことを可能にする、《実存的転位語》の無限の増大。
まず、「1」における「協議体制と集団的相互作用との革新的な形態」というのはどことなくツイッターを連想させるものがあり、そこから「民主主義に新たな価値を見いだす」という件は、東浩紀が提唱している「一般意志2.0」的な思想と響き合う部分があるようにも感じられる。
また、「2」における「もろもろの装置を小型化し個人使用すること、マスメディア化された表現手段を再特異化すること」という件は、iPhoneに代表されるスマートフォンなどの浸透と、それらを用いた個々人のレベルでの情報発信が、既存のマスメディアのスピードを追い抜きつつあるという現在の状況と重なり合う(たとえば、坂本龍一による一人Ustream!)。
ちなみに、この『分裂分析的地図作成法』が著されたのは89年のことだ。哲学者や思想家の著作は、ときとして「予言の書」のようでもある。しかし、「3」における「《実存的転位語》の無限の増大」とは一体何を意味しているのだろう…と、まだまだ謎は尽きないのだけれど。
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89年といえば、小室哲哉『Digitalian is eating breakfast』がリリースされた年でもある。
Digitalian is eating breakfast
- アーティスト: 小室哲哉
- 出版社/メーカー: エピックレコードジャパン
- 発売日: 1989/12/09
- メディア: CD
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全編シンクラヴィアを用いて製作されたこのアルバムは、その後のハードディスクレコーディングの隆盛を先取りした、まさに「予言の書」的な作品である。このアルバムについては、いずれ機会をあらためて詳しく分析してみたいと考えている。
そして今年、待望のソロアルバムが22年ぶりにリリースされる。2010年にリスタートした小室哲哉が新たなディケイドの始まりにどんな音を生み出すのか、今から期待は膨らむばかりだ。
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ブログはまだまだ手探りの状態。こんなゆるい内容でよいのだろうかと思いつつ(笑)。しかし、今はマイペースに書き続けてみるしかないですね。