2011-01-01から1年間の記事一覧

2011年ベストディスク10+

2011年に聴いた新譜の中から10枚のアルバムをセレクトしてみました。その基準は「聴くたびにどれだけ心が動いたか」という点にあります。したがってその内容は私的で一貫性のない雑多なものとなっていますが、もし今年聴き逃してしまっていた“moving”な一枚…

Get Wild - TKATAK mix

先日の渋谷慶一郎さんによるツイート「今度はTMネットワークのDVDがかかってます」「ビデオアートぽいな」「次はGET WILDきた」「うた抜くとADHぽいなw」を受け、実際にTMネットワークの「Get Wild」とADHの実質的なテーマ曲となっている「4'33+」(『ATAK00…

keiichiroshibuy語録 vol.003

2011年6月に東京芸術大学で行われた渋谷慶一郎さんによる特別講義。その模様を文字に起こしてお伝えする第3弾。いよいよ最終回です。今回は「質疑応答」のパートを中心に取り上げますが、とても充実した内容で、最終的には結構な字数になってしまいました。…

keiichiroshibuy語録 vol.002

2011年6月に東京芸術大学で行われた渋谷慶一郎さんによる特別講義。その模様を文字に起こしてお伝えする第2弾です。今回紹介するパートでは、「3.11以降の音楽」について非常に鋭い論点が提示されており、まさにこの特別講義全体のハイライトとなっています…

keiichiroshibuy語録 vol.001

2011年6月2日に東京芸術大学にて渋谷慶一郎さんによる特別講義が行われました。その模様はUstで中継され、アーカイブ化もされているので、そちら(http://www.ustream.tv/recorded/15110719)を実際にご覧いただくのが一番だと思うのですが、90分近い時間の…

Thurston Moore『demolished thoughts』

Demolished Thoughts [輸入盤CD] (OLE9532)アーティスト: Thurston Moore,サーストン・ムーア出版社/メーカー: MATADOR発売日: 2011/05/24メディア: CD購入: 6人 クリック: 27回この商品を含むブログ (18件) を見る実のところ私はソニック・ユースのアルバム…

TKポリフォニー/即興性が生み出す偶発的快楽

小室哲哉によって生み出される音楽の魅力を、彼自身による「アレンジ」と切り離して考えることは難しい。その魅力について語る上で、まず坂本龍一による次のような発言を導きの糸としたい。 それって、そういう楽理をまったく知らないブライアン・イーノたち…

UTAUツアー仙台公演/UST配信の贈り物

2005年12月25日。 クリスマスの日に聴いた「戦場のメリークリスマス」。 これは何とも忘れがたい思い出だ。 この日は、妻と二人で坂本龍一のソロピアノコンサートを観に来た。 そして妻のお腹の中には、妊娠4ヶ月を過ぎたころの息子もいた。 微かな胎動が感…

坂本龍一/UST配信がもたらす聴取体験の変容

北米ツアーに始まり、UTAUツアーを経て、韓国公演へと結実した坂本龍一のUST配信。この一連の試みが社会的に与えたインパクトは多岐にわたるが、それらについて論じるのは他の方々にお任せすることにして、このブログでは、例によって私的な体験を拙い文章で…

ラヴェル/冨田勲/テクノポップ

学生時代、坂本龍一が言及している作曲家、編曲家、演奏家の作品を聴き、その中に坂本龍一的な響きを見つけては一人喜ぶといったようなことばかりしながら過ごしていた時期があった。その探求の初期段階で、一聴した瞬間に虜になってしまったのは、フランス…

TKフィルター/記憶から紡ぎ出される音たち

TK

小室哲哉は87年のある雑誌アンケートで「人生のベスト・アルバム」として以下の5枚を挙げている。 ・ムソルグスキー「展覧会の絵」 ・メンデルスゾーン「バイオリン協奏曲」 ・ホルスト「惑星」 ・キース・ジャレット「フェイジング・ユー」 ・ELP「恐怖の頭…

ポップアナリーゼ

『思想地図β』に収録された菊地成孔+佐々木敦+渋谷慶一郎による座談会「テクノロジーと消費のダンス」の中で中心的な話題となっていた「ポップアナリーゼ」という言葉が最近気にかかる。「ポップアナリーゼ」とは、文字通り「大衆音楽(ポップス)の楽曲分…

予言の書/Digitalian

ブログタイトルをガタリ的なものにしたこともあり、新年早々、『分裂分析的地図作成法』をぱらぱらと読み返してみた。分裂分析的地図作成法作者: フェリックスガタリ,F´elix Guattari,宇波彰,吉沢順出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 1998/02メディア: …

まずは気楽に。

ツイッターを初めて半年ほど。ようやく自分なりの立ち位置や文体のようなものをつかみつつあり、楽しみながら続けている。そしてブログ。ストックに値する内容のものをと考えると、そのプレッシャーからなかなか筆が進まない。したがって、まずは気楽に、ツ…

始動。

2011年の1月1日にブログを始動。昨年の7月からツイッターを始め、そこで交わされる情報量やそのスピード感に圧倒されつつも、自分自身の思考の軌跡を140字の連なりに収めきれないことに少なからずフラストレーションを感じていた。同時に、素晴らしい音楽ブ…